•  ここでは4つの定義からなる非常にシンプルな設計プロセスを使って考え方を説明したいと思います.
  •  このプロセスは機能製品の内部メカニズム決定し,カバーに固定するまでの設計を行うものです.プロセスを構成する定義は,「基本メカニズムの決定」,「カバー材質の決定」,「固定方法の決定」,「固定位置の決定」の4つです.この4つの定義には図1に示すような依存関係があります.このような依存関係はマトリックス表現にすると簡潔に表すことができて,このような設計上の依存関係を表すマトリックスをDesign Structure Matrix(DSM)といいます.表1は4つ定義間の依存関係をDSMで表した例です(1列目の定義を決めるためには1行目の定義が決まっていることが必要な場合に,その交点に○印を表示してその依存関係を明らかにしています).
  • さて,皆さんはこのような依存関係を持つ定義の決定手順はどのようになるべきだと思われますか? 実は,DSMの対角線より上にある○印は,依存関係を設計手順の逆転を示しており,もしこの表のような上から下(または左から右)の順序で設計を進めると,カバー材質を決める時点で固定方法に手戻りが発生する可能性があることを示しています.
  •  このような手戻りを低減する設計手順を見つけるには,DSM上で定義を並べ替えて,対角線上の○印がなるべく下になる手順を見つければよいのです.表2には並べ替え後のDSMを示しています.
  •   カバー材質と固定方法は相互依存をしており,そのような依存関係を持つ定義がある場合,○印は対角線の上に必ず残ってしまいます.このDSMが示すように,相互依存している定義は同時に決定することによって手戻りの影響を最小にする必要があるのです.