•  前頁で紹介しましたPRA(確率論的リスクアセスメント)は設計の不確実さを評価する手法なのですが,その実施にかなり手間がかかる上に,ひとつひとつの設計パラメータの不確実さを評価する方法であるために,どうしても,いくつかの重要なパラメータに狙いを定めて適用せざるを得ません. ひとつの製品は数千,数万,ひょっとすると数百万のパラメータより構成されているわけですから,その全てをPRAで評価し品質を確保するのは現実的とはいえないのです.
  •  製品の品質を予測する方法はほかにもいろいろありますが,例えば皆さんよくご存知のFMEAも,最初は山勘で適用対象(通常は製品の部位)を定める点においてはPRAと変りがありません.分析が比較的簡単なので,より多くの部位の故障モードを想定することはできますが,いずれにしろ製品全体に適用することは容易なことではありません.このように,既存の多くの方法は任意の限定的な範囲を対象に適用されることが多いのです.
  •  それでは,製品全体に渡った不確実さはどのように管理したらよいのでしょうか.もちろんチェックリストやデザインレビューは不確実さを低減する有効な方法ですが,管理という点から見ると場当たり的すぎるような気もします.なぜなら,不確定さに起因して発生する故障はいつも注目していない場所に顔を出すからです.
  •  そこで,筆者は,製品全体に渡った不確実さの管理を製品の設計プロセスのモデリングに求めることにしたいと思います.
  •  設計プロセスモデルは設計プロセス全体の記述を目指しますので,プロセス全体の記述ができさえすれば自ずから製品全体を対象に分析を行うことになるのです.


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