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    ポールとバイツの体系的アプローチ その2 役割の明確化    2006/06/28
  •  ポールとバイツの体系的アプローチの最初のステップは「役割の明確化」(Clarification of Tasks)である。 耳慣れない言葉であるが、設計対象物の機能目標と制約条件を明らかにするフェーズである。
     我々が行う設計活動は、多くの場合、全機種のコンセプトを踏襲して新機種の設計を行う流用設計であるためか、設計の第一ステップとして機能目標と制約条件を明確に書き出すような作業を行うことは多くない。 しかしながら、製品の市場投入後に発生する不具合の内、けっして無視できない割合がこのフェーズに起因していることを考えると、不具合の未然防止のためにも、機能目標や制約条件を書き出し、精査することは有意義であると考えられる。

     ポールとバイツが示している機能目標と制約条件は以下のような項目である。 (工学設計 体系的アプローチ、 G.ポール、W.バイツ著、培風館より抜粋)
     これらの項目を書き出し、優先順位を明らかにし、部品やサブシステムへ展開した上で、仕様書として利害関係者のレビューを受けることが推奨されている。

     機能目標
    主要項目
    幾何形状 寸法、高さ、幅、長さ、直径、所要スペース、数、配置、連結、拡張
    運動学 運動の種類、運動、速度、加速度の方向
    力の方向、力の大きさ、周波数、重量、荷重、変形、剛性、弾性、慣性力、共振
    エネルギー 出力、効率、損失、摩擦、換気、状態、圧力、温度、加熱、冷却、供給、貯蔵、容量、変換
    物質 物質(材料)の流れと輸送、初期製品と最終製品の物質的および化学的性質、補助的材料、規制材料(食品規制など)
    信号 入力と出力、形態、表示、制御装置

     制約条件
    主要項目
    安全 直接的保護システム、操作上の安全と環境への安全
    人間工学 マン-マシン関係、操作の種類、操作位置の高さ、配置の整然さ、腰掛の安楽さ、証明、形状適合性
    生産 工場の制約、最大可能寸法、優先する生産方法、生産手段、達成可能な品質と公差、廃棄物
    品質管理 試験と計測の可能性、特定の規制と標準規格の適用
    組立 特定の規制、据え付け、立地、基礎
    輸送 リフト操作による制約、空き場所、輸送手段(高さと重量)、発送の性質と条件
    操作 静かであること、着衣、特殊利用、市場エリア、仕向け地(例えば、硫黄雰囲気、熱帯性の状況)
    保全 サービス間隔、点検、交換と修理、ペンキ塗装、清掃
    コスト 最大許容製造コスト、工具のコスト、投資と減価
    スケジュール 開発の最大期限、プロジェクトの企画と整理